老人性いぼ(脂漏性角化症)老人性色素斑(日光黒子)
40歳以降に出現し加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍です。通常のイボ(尋常性疣贅)のようにウイルスが原因ではありません。
脂漏性角化症は、顔面、頭部、手背など日光に当たる場所によくできますが、日に当たらない部分にも発生します。
色は褐色調から黒色です。盛り上がったものを老人性いぼ、盛り上がりのないものを老人性色素斑、と呼びますが本質的には同じものです。しかし両者は外観や治療はやや異なります。
治療
盛り上がりのないもの(老人性色素斑)はQスイッチヤグレーザーで治療します(自費診療) 。
レーザー照射後はかさぶたになって落ちていきます。麻酔は必要ありません。通常1ヶ月以内に脱落します。
盛り上がりのあるものは炭酸ガスレーザー、プラズマペン(自費診療)も使って治療します。
炭酸ガスレーザーは組織中の水に反応して組織を焼灼することのできるレーザーです。当院の炭酸ガスレーザーはスキャナ付きですので安全に必要なだけ組織を焼灼することができます。
ちなみに昔ながらのスキャナのない炭酸ガスレーザーは少しでも同じ場所に長く照射しすぎると組織が深く焼灼されてしまう難しい機械で職人芸的な技術を求められましたがスキャナがあれば誰でも同じようにきれいに治療できます。
プラズマペンは電極から皮膚に小さな稲妻を飛ばして皮膚の表面だけを焼灼する医療機器です。非常にわずかしか焼灼できないので安全で仕上がりもきれいですが炭酸ガスレーザーと比べて時間が非常にかかるという欠点があるので現在は主に炭酸ガスレーザーを使っています。炭酸ガスレーザーもプラズマペンも局所麻酔が必要です。
いずれの治療後も炎症後色素沈着(戻りジミ)を防ぐために日焼け止めをしっかり外用していただきます。
凍結療法(保険治療)でも治療ができます。
この治療のメリットは保険がきくため非常に安いことです(3割負担だと1回¥800ぐらい)。 デメリットは非常に強い炎症後色素沈着です。患者さんのスキンタイプによっては真っ黒になります。顔面の場合は1年ぐらいで色素沈着は目立たなくなります。顔面以外の場所ではそれ以上残る場合もあります。 「とにかく安く」という場合は凍結療法で治療するのがよいでしょう。