
液体窒素で治らないいぼに2つの選択
【炭酸ガスレーザー】と【ブレオマイシン注射】
液体窒素で治療を続けても、いぼが残っていませんか?「何度も液体窒素で治療しているのに治らない」「いったん小さくなっても、また大きくなる」当院では、このような治りにくいウイルス性いぼ(尋常性いぼ)に対して、炭酸ガスレーザーやブレオマイシン注射による治療を行っています。適した治療は、いぼの場所・大きさ・数・これまでの治療経過によって異なります。まずは診察で状態を確認し、治療後の生活への影響やご希望も踏まえて治療方法をご提案します。
このような場合にご相談ください
液体窒素などの治療を続けても改善が乏しい
少ない回数で治療を終わらせたい
同じ場所のいぼが繰り返し再発する
現在の治療以外の方法も検討したい
【炭酸ガスレーザー】
炭酸ガスレーザーを使い、いぼの組織を蒸散させて取り除く治療です。局所麻酔を行い、病変の範囲を確認しながら処置します。いぼの組織をその場で除去する方法ですが、1回の処置で必ず治癒するわけではありません。目に見える病変を取り除いても再発することがあり、経過によって追加の治療が必要になります。
治療の流れ
1.診察・治療方法のご相談
ウイルス性いぼであることを確認し、これまでの治療経過を伺います。必要に応じて、ほかの病気との区別のために検査を行います。
2.麻酔・レーザー治療局所麻酔を行い、炭酸ガスレーザーでいぼの組織を取り除きます。麻酔の注射には痛みを伴います。
3.傷の処置治療部位は傷になるため、皮膚が再生するまで、指示に沿った洗浄や保護が必要です。足の裏では、歩行時の痛みが出ることがあります。
4.再診・経過確認
傷の治り方と、いぼの残存・再発の有無を確認します。
必要に応じて追加治療や治療方法の変更をご提案します。
治療後の経過と注意点
傷がふさがるまでの期間は、治療した場所や範囲によって異なります。足の裏や広い範囲を治療した場合は、傷の処置が長く必要になることがあります。仕事・運動・長時間の歩行などへの影響も含め、診察時にご説明します。予定がある方は、治療前にご相談ください。
主なリスク・副作用
痛み、出血、感染、傷の治りの遅れ、色素沈着・色素脱失、瘢痕、いぼの残存・再発です。足の裏では、瘢痕による痛みが残る可能性もあります。
【ブレオマイシン注射】
いぼの内部にブレオマイシンという薬剤を少量注入し、病変の退縮を図る治療です。液体窒素などで十分な効果が得られない難治性のいぼに用いられることがあります。
ブレオマイシンは、国内では抗がん剤として承認されている薬剤です。ウイルス性いぼに対する局所注射は、国内承認された効能・効果とは異なる「適応外使用」にあたります。
当院では、治療内容とリスクをご説明し、同意をいただいたうえで行います。
治療の流れ
1.診察・治療方法のご相談ウイルス性いぼであることを確認し、これまでの治療経過や持病、使用中のお薬を伺います。
2.薬剤の注射必要に応じて表面の厚い角質を処置し、いぼの内部に薬剤を注射します。痛みへの対応や麻酔の方法は、治療部位などに応じてご説明します。
3.治療部位の変化注射後は、痛みや腫れが生じることがあります。その後、治療部位が黒くなり、かさぶたを形成する場合があります。状態によっては傷になり、保護や処置が必要です。かさぶたは無理にはがさず、指示に沿ってお手入れしてください。
4.再診・効果の確認治療部位の回復と、いぼの残存の有無を確認します。1回で十分な効果が得られない場合は、追加の注射や、別の治療への変更を検討します。痛みと治療後の生活について注射時だけでなく、治療後にも痛みが続くことがあります。足の裏では、歩く際に痛みを感じる場合があります。注射による治療でも、傷や潰瘍ができる可能性があります。「痛みがない」「傷ができない」治療ではありません。立ち仕事や運動などの予定がある方は、事前にご相談ください。
主なリスク・副作用
注射時・注射後の痛み、赤み、腫れ、内出血、水疱、かさぶた、色素沈着・色素脱失、潰瘍、感染、瘢痕などがあります。まれに、治療部位や周囲の血流障害、強い組織障害、爪の障害などが報告されています。効果には個人差があり、いぼが残る場合や、いったん改善しても再発する場合があります。
ブレオマイシンには、全身投与で間質性肺炎・肺線維症などの重大な副作用が知られています。いぼへの少量局所注射は全身投与とは使用量・方法が異なりますが、持病や過去の治療歴を確認したうえで適応を判断します。
治療前にお知らせいただきたいこと
次に該当する方は、必ず診察時にお知らせください。状態によっては治療を行えない場合があります。
妊娠中・妊娠の可能性がある
授乳中
手足の血行障害やレイノー症状がある肺や腎臓の病気がある
ブレオマイシンによる治療を受けたことがある
薬剤によるアレルギーの経験があるお子さまや、爪の周囲・指先などの病変についても、治療の適否を慎重に判断します。
国内の承認状況:
ブレオマイシンは抗悪性腫瘍薬として承認されていますが、ウイルス性いぼへの局所注射は承認されていません。
海外の安全性情報:
海外にもいぼへの局所注射の報告があり、疼痛や局所の壊死・潰瘍、血流障害などが報告されています。海外での使用報告があることは、国内での承認や安全性を保証するものではありません。
医薬品副作用被害救済制度:適応外使用に伴う健康被害は、同制度の救済対象とならない場合があります。
費用
炭酸ガスレーザー、ブレオマイシンによるいぼ治療は自由診療です。料金表のページを参考にしてください。治りにくいいぼはまずご相談ください**治療方法を決めてから受診していただく必要はありません。いぼの状態を確認し、適した治療を一緒に検討します。(特に相談のない場合には液体窒素での治療を行います。難治性で悩んでいる。早く治したい場合には相談してください。)
よくある質問
炭酸ガスレーザーは、何回くらいで治りますか?
難治性の足の裏のいぼを対象とした国内の研究では、スキャナー付き炭酸ガスレーザーによる1回の治療で、約95%の患者さんのいぼが消失したと報告されています。これは、121人を治療し、3か月後に確認した結果です。ただし、レーザー治療後には傷の処置と経過確認が必要です。「1回の治療で消失」とは、1回の受診ですべて終了するという意味ではありません。病変の状態によっては、追加治療が必要になります。
ブレオマイシン注射は、何回くらいで治りますか?
難治性の手足などのいぼを対象とした研究では、1回の注射で約4割、月1回の注射を最大3回行うことで約9割の患者さんのいぼが完全に消失したと報告されています。ただし、治療後に再発する場合もあります。この研究では、治療を受けた19人のうち3人に、その後3か月以内の再発がみられました。治療への反応を確認しながら、追加治療の必要性を判断します。
